
入院患者様が、調理のお仕事に就きたいという事で、料理に挑戦!
妄想なのか、事実なのか生活歴がはっきりせず、確信を持つために実習を計画。「俺はイタリア料理のシェフなんだ。」という事で、まず、ペンネでアラビアータを作って頂きました。
実習は、作業療法士の付き添いの下、実践。
その上で、レシピを自ら作成し、材料をピックアップしてもらい、道具も本人が用意してほしいと言う物を用意して開始です。

慣れないゴム手袋で、少し危なっかしく、やりにくそうな所もありましたが、包丁の扱いがとてもお上手です。

オリーブオイルが多いか?!…とも思いましたが、ベーコンとニンニクの良い香りが漂い始めました。
始めてみると、なかなかの手際の良さ。

まず、ペンネを茹で始めました。塩はちょっと多めで本格派、目指すはアルデンテ。
さらに、この後の工程で、フライパンの中でソースと絡めると火が通ることも計算して、少し硬めに茹で上げます。加減を慎重に見極める姿は真剣そのもの。

トマトソースを煮詰め、ペンネと絡めると、水分が蒸発してとても良い香りが立ち始めました。

チーズをたっぷりとかけて、濃厚なアラビアータの完成です。

今回の企画を心待ちにしていた院長は、さっそくおかわりをしていました。また、香りにつられて、外で作業していた職員も急遽参加して味見。たくさんの職員がイタリアの味に舌鼓を打ちました。

この写真以外にも、さらに職員は食べに来ており、立食パーティーのようでした。
「美味しいね!」「また作ってくださいよ!」と、その場では感嘆の声が次々と上がり、大好評でした。
すると、本人も「いいですよ!何でも作りますから、食べたいものを仰ってください(^v^)」と上機嫌な様子でした。
今後は、退院支援の一環として、材料の買い物から調理まで行ってもらう事もできそうです。実際に、病院の厨房で腕を振るってもらったりできるのでは???と可能性が広がりました。
当院は、患者様の希望や目標に寄り添いながら、共に手を取り合って退院に向けた取り組みを行っております。
(注)この記事は、「どうぞどうぞ、ぜひ載せて下さい!」と本人の了解を得て掲載しております。